従来の太陽光発電で発電した電力を電力会社が買い取る仕組みの大前提は、住宅用も産業用も「自家消費で余った余剰電力のみ」を買い取る
という形態をとってきました。
そのため、大量に電力を消費する企業等が莫大な費用を投入して太陽光発電を設置して
環境価値のある太陽光発電による電力を売ろうとしても、売る電力がほとんどなく、
その上に買取単価が一般住宅用に比べて半分程度であるため、積極的に取り組む理由はあまりありませんでした。
ところが、今回の「全量買取制度」では「余った電力(余剰電力)」だけではなく「発電した電力の全量」を、
住宅用の高い買取単価に近い高単価で買い取る方式に替わる為、
発電事業として取り組むことが安定収益の確保という点で注目を浴びるようになりました。
また、更に拍車を掛けるように従来は余剰電力の買取制度すらなかった500kw以上のシステムに関しても新たに「買取制度」が
スタートし、全量買取制度が適用されるようになりました。
これにより、利用価値が見い出せず遊休地となっていた場所に大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を建設することによって、
スケールメリットを活かした休眠資産の有効活用が可能になり、
投資家からも熱い視線を浴びるようになりました。
そして、何より原発による被害の実態すら把握しきれない社会の中で、安全安心な太陽光発電を少しでも増やし
「脱原発社会」を目指す国民の期待に応えるように多くの企業が自社のできる範囲の中で、
産業用太陽光発電の導入を具体的に進めていらっしゃるようです。
太陽光発電システム単独では、蓄電機能を持っていないため蓄電はできません。
しかし、蓄電ユニットやEV(電気自動車)を別途組み込むことによって蓄電も可能となり、
防災時にも対応できるようなシステムにすることも可能になります。
設置する場所の条件に大きく左右されますが、日射を遮るものがなく平坦な場所に設置する場合のおおよその広さとしては、
10kwシステム (ビル屋上や工場屋根など) ・・・100m2
50kwシステム ( 同上 ) ・・・500m2
100kwシステム ( 同上 ) ・・・1,000m2
くらいをおおまかな目安としていただければ良いと思います。
また、これ以上大規模な遊休地など地上設置型の場合には、周辺環境やメンテナンススペースなどその他の要因も含まれるため、
一律倍数を掛けてゆくこともできなくなってきますが、上記面積の1.5~2倍程度の広さを目安にされるケースが多いようです。
発電量は少ないものの発電します。曇天の場合で晴天時の50%以下、雨天時で10%以下と言われています。
ただし、システムの発電特性によって日射量の少ない中でも効率的に発電するものもあり地域の気候特性に応じた
システムを導入することによって発電量が大きく変わることがあります。
詳しい各社の特性に関しては産業用システム導入実績のあるプロからの適切なアドバイスを受け、
最適システムを選択することが重要になります。
はい、必要です。
住宅用でも本当は必要なのですが総発電量が少なくメンテナンス費用の方が多くかかってしまうため
「メンテナンス不要」としばしば誤った説明が行われていますが、産業用、特に発電事業として大規模な
システムを導入する場合には、鳥のフンや土埃などわずかな汚れの付着によって、数%の発電ロスが生じることで
売電収入に大きな開きが起こってしまいます。
そのため、発電状況をモニタリングしながら異常感知から短期間で原状復帰させるための保守運用体制が産業用システムには求められることになります。